大学進学は夢ではなかった

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親一人子一人の母子家庭。

そんな家庭の子供が大学へ行くなんて夢の又夢だと、同じ境遇の人の殆んどがそう思っている。

でも大卒でも就職難の昨今、中卒や高卒の子供の就職先を見つける事は本当に困難だ。ここでフリーターの道に入れば、そこから抜け出す事はまず出来ない。

子供の一生を考えれば、親としては少しでも就職に有利な大学に進学させたいと切望する。子供が勉強嫌いで宿題さえさぼって遊んでいるようだったら、私も大学へ進学させようとは決して思わなかっただろう。

でも一度たりとも「勉強しなさい」と言った記憶も無いのに、成績はいつもトップクラス。

学校の三者面談の時は、担任が子供を誉めまくる。こんな経済苦にも関わらず、いつしか大学進学は当然のような気持ちになっていた。

幸いな事に中学の校長先生の推薦で、母子家庭に特化した返済不要の奨学金を頂ける事になった。

これは一県に3~4人、将来を期待された子供だけが貰える特別なプレゼントだ。

それと(足なが育英会)の奨学金を合わせると、大学進学に向けての勉強に必要なお金が用意できた。塾も、母子家庭だからと特別に半額にして貰えた。

だからと言って、私立大学へ行ける程のお金は無く、滑り止めの一校すら受験するゆとりも無い。当然国立大学一本。

そして迎えたセンター試験。見事志望大学の受験資格をゲット。二次試験までの長い長い日々。いよいよこれで決まる。

母と子の二人三期で頑張って来た月日。

電気を止められ、ろうそくの明りで勉強したあの日が瞼に浮かぶ。

そして合格。6年後には、『お母さん、頑張ったよ!』って胸を張って私に医師免許を見せてくれるだろう。